美少女プリンセス強制妊娠計画(密室調教合宿の儀) 岳瀬浩司 著 第三章 美少女ティセラ 初夜の約束
―――今からちょうど三十年前。長い間連れ添ってきた前妻を不治の病で失ったゴージャンヌ八世は、まさに傷心しきっていた。しかも子宝にも恵まれておらず、その喪失感はとてつもなく大きいものであった。
癒されぬ心の傷を胸に秘め、まるで寂しさを紛らわすかのように、彼は職務に没頭してまる七年を過ごすこととなった。その間、どれだけ人恋しかろうとも、望めば国中のどんなに美しい女性にでも夜伽(とぎ)の相手を命じられる立場にあろうとも、彼は決して女性を側に近付けることがなかった。亡き妻への貞節を堅く心に誓っていたのである。しかし、これは次第に永年彼に仕えてきた重臣たちの悩みの種となっていく。国王の座に君臨する者の重要な責務として、子供のいない彼はどうしても跡継ぎを作らねばならなかったのである。それなのに再婚を頑なに拒む彼は、重臣たちが「新しいお妃」候補として王宮に召し出した美しい女性たちを、公務の邪魔であるとしてことごとく側に近付けなかったのだ。
どんな美女を宮殿に送り込んでも関心を示さない国王に、国の将来を憂う重臣たちは頭を悩ませ続け、遂に苦肉の策に出た。ある日彼の前に、ある重臣の末娘であった一人の少女を連れてきたのだ。それこそが今の王妃ティセラだったのである。当時ゴージャンヌ八世は三十三歳、ティセラは何と十二歳であった。
―――相手が十二歳の少女ならば、とても恋愛の対象と受け止めることはできまい。ならば彼女を側においても無理に遠ざけはしないだろう―――
それこそがまさに重臣たちの狙いであったのだ。そしてこの狙いはまさに的中だった。再婚をしつこく迫り、頻繁に数多くの美女たちを自分の側へと送り込んでくる重臣たちに、ほとほと嫌気が差していたゴージャンヌ八世だったが、さすがに自分の娘といってもおかしくない十二歳の少女の登場には、最初はただの小間使いの子供としか捉え様がなく、いつものように冷たくあしらって王宮から追い出すようなこともしなかったのだ。
十二歳の少女ティセラのその類希なる美しさと愛くるしい妖精のような仕草に、ゴージャンヌ八世は次第に親愛の情を深めていった。ティセラをまるで自分の娘のように可愛がったのだ。またティセラの方も次第に彼に打ち解けて、まるで実の父親に甘えるように心を許していったのである。
果たして重臣たちが期待していた通り、やがて少女は彼の身の回りの世話を任され、四六時中彼の側にいるようになっていった。しかも寂しがり屋の彼女は、彼が断るのも聞き入れず、いつしか彼と同じベッドで寝るようになっていたのである。まるで実の親娘のような睦み合いが、それからおよそ三年間も続いた。いつしかゴージャンヌ八世の心の中で、少女ティセラの存在は、悲しみや寂しさを癒してくれる、かけがえのないものへと成長していったのだ。
しかし、三年という歳月が成長させたのは、ただそれだけではなかった―――。少女ティセラの身体が、日増しに女性としての変化を見せ始めていったのである。
(―――か細かった少女の身体は、見る見る丸みを帯びて、幼い胸元は徐々に膨らみを増していく・・・・。そしてウエストが見る見るくびれ始め、ヒップの丸みを強調させていく―――)
しかも少女の変化は肉体だけにとどまらない。無邪気で幼い仕草は変わらないものの、時折ティセラは彼の膝の上に座って、その美しい瞳を潤んだようにキラキラと輝かせながら、熱っぽく彼の目を覗き込んだりし始めたのだ。
そこかしこに女の質感と情感をちりばめ始めたティセラに、彼も徐々に心を揺さぶられ始めた。―――彼とて男である。これほどまでに可憐な美少女が、まさに今、女を宿した肉体へと著しく変貌を遂げようとしているのを前に、平静を保っていられるはずがなかったのだ。しかもこの十年間、前妻との愛に殉じて、女性の肌のぬくもりを求めることを堪えに堪えていたのだから余計に苦しくてたまらない。彼は次第にティセラを大切に想う心と、抑え難い性衝動の間に身を置き、悶々とした日々を送るようになっていたのである。それでもティセラは夜になると、ピッチリとしたパジャマの中に男の性をくすぐり始めた柔らかな肢体を押し包んで、無邪気な笑顔を見せながら、彼のそんな気持ちに構うことなく彼のベッドにもぐり込んでくるのである。
毎朝のように寝不足気味に目を赤くしているゴージャンヌ八世を見るようになって、重臣たちはようやく機が熟したことを察知した。すぐに次の作戦に打って出たのだ。
ティセラの十六歳の誕生日を目前に控えたある日、ゴージャンヌ八世の心は大きな衝撃に見舞われることとなった。ティセラの父親であった重臣が、近日中にティセラを屋敷に連れて帰ると言い出したのである。
彼は「ティセラには決まった許婚もいないので、ある重臣の再婚相手にティセラを差し上げようと考えている。まだ相手には勿論、誰にも話してはいないが、娘を大変可愛がってくれた国王陛下には、前もって報告しに参った」と言うのだ。しかし、そのティセラの結婚相手の名前を聞いて、ゴージャンヌ八世は再び強い衝撃を受けることとなった。相手はすでに六十歳をとうに過ぎている、重臣たちの中でも長老クラスの人物だったのだ。王家への忠誠心こそ非常に強くて有名な人物であったが、その色好みの激しさもまた王宮では有名な人物だったのである。
確かにその重臣は先年、夫人を亡くして独身だが、現在も数人の若い乙女たちを囲っている。未だに枯れることなく色を好む元気さは王宮で知らぬものとてない事実だ。が、普通、娘の実の父親ならば、死んでも嫁に出したくない相手のはずである。とてもティセラが幸せになれるとは考えられない・・・・。
ゴージャンヌ八世は猛烈に反対した。しかしティセラの父は頑として首を縦に振らない。決して自分は目下の相手に娘を嫁がせるつもりはないのだと国王に説明し、挙句には条件に見合う相手がいなければ、一生ティセラを結婚させないとまで言い切ったのである。そして彼は、七日後の朝、娘のティセラを引き取りにくると国王に言い残して帰ってしまったのだ。
この縁談話はすべて重臣たちの考え出した作り話であったが、額面通り受け止めてしまったゴージャンヌ八世は、目の前が真っ暗になってしまった。ティセラの結婚相手が年相応の若者であれば、ティセラの幸せを一番に考えて、どうにか諦めることが出来たかもしれない。しかし相手が相手である。自分よりも年上でしかも好色家とくれば、おいそれとティセラを渡すことなど出来ようはずがなかったのだ。しかし彼は縁談に反対したいものの、少女の実の父親の意向を拒む正当な理由を見つけられぬまま、失意のうちに彼女と暮らせるあとわずかしかない大切な時間を浪費していってしまったのである‥‥。
そして遂に、ティセラと過ごす生涯最後となるはずの夜が訪れた―――。
その夜もティセラは屈託のない笑顔を見せて、彼のベッドにもぐり込んできた。
少女も明日の別れが寂しいのか、その夜はいつになく身体を擦り寄せて、まるで彼の身体の上に重なるように、うつ伏せのままに身体を強く密着させてきたのである。肌ざわりの良さそうなピンク色の厚手のパジャマ越しにも、少女の肉体の柔らかさが、どうしても彼にはっきりと伝わってきてしまう・・・・。
彼はどうにか自分の欲望を抑えようと、心の中で必死に戦った。最後まで父親のような存在として、彼女に接していこうと心に決めていたのだ。
彼の心には万感の想いが込み上げていた。明日の朝になれば、最愛の少女ティセラは、実家に連れ去られてしまうのだ。
―――今までの少女との素晴らしい思い出が、次々と彼の脳裏に浮かんでくる・・・・。
しかし、そんな彼の想いは、やがてこの少女に待ち受けているであろう悲しい未来にまで想像を巡らせ始めてしまったのである。
(十六歳の誕生日を迎えた夜、この汚れなき無垢な少女は、色欲爺いの慰み者にされてしまう・・・・)
いつも宮殿で会うあの初老の重臣が、嫌がるティセラの衣服を無理やり剥ぎ取り、ティセラの瑞々しい肢体を撫で回し、少女のあらゆる部位に口唇を這わしている無残な光景が、彼の脳裏に生々しく浮かんでしまった。するとゴージャンヌ八世はたちまち、胸を切ないまでに締めつけられ、まるで心臓を剔られるような心の痛みに晒されてしまう・・・・。
やがて彼はその苦しみの正体に「ハッ」と気付いてしまった。
〈―――狂惜しいまでの嫉妬心(ジェラシー)‥‥。〜それはつまりティセラへの独占欲‥‥。自分が一人の「男」として、この少女を愛してしまっていることに!〉
その時であった。すでに眠っていると思われていたティセラが、まるで彼の心を見透かしていたかのように、潤んだように輝く妖しい瞳で彼の顔を見つめてきたのである。たちまち彼はティセラの瞳に釘付けになってしまった。そして気が付けば、まるで暗示にでも掛けられてしまったかのように、少女に愛の言葉を口にしていたのだ。
「ティセラ、愛している! 一生離さない!」
もはや彼は込み上げてくる感情に逆らうことは出来なかった・・・・。彼はティセラの小さな身体の上に覆い被さると、少女のそのしっとりと潤う柔らかな口唇に引きつけられるように顔を近付け、そのまま激しく熱い口づけを交わしてしまっていたのだ。
ティセラはうっとりと瞳を閉じていた。激しく情熱的に口唇を吸われ、それがいつもの親愛の情を示すものではないと判っても、ティセラはまったく拒まなかった。それどころか両手をしっかりと彼の首に回して、下から更に身体を密着させてきたのである。
少女の仕草に勇気付けられた彼は、遂に彼女のすべてを自分のものにする決心をした―――。
彼はティセラの身に付けていた少女らしいピンク色をした厚手のパジャマのボタンを、焦りを抑えきれぬ震える手で次々と外していく―――。彼によって両脇に万歳するように押しやられた少女の小さな手は、力なく指先を丸めたまま彼の慌ただしい行為を許している。少女は眠気まなこのようなトロンとした眼差しのままで、その愛くるしい美貌をやや横に向けて、これから自分の身に施されるであろうすべてのことを受容する様子だったのだ。それが興奮に包まれている彼にもはっきりと判る。それゆえに彼は、自身の胸奥に強くわだかまる「背徳心」を、容易に乗り越えることが出来たのだ。
やがて少女のはだけた胸元を、震えた両手でゆっくりと開いた彼の目に、眩しいくらいに透き通った瑞々しい素肌と、少女っぽさの残る可憐な乳房が現れた。ティセラは下着を着けていなかったのだ。
まだ蒼さを色濃く秘めた少女期の乳房とはいえ、しっかりとした丸みを彼の目に訴えている。何より彼にとって感動的だったのは、少女の乳房の先にちょこんと彩り添えた余りに可憐な乳頭であった。彼女の小さな手の、更に小さな小指の爪先ほどの大きさもない。それが健気にその存在を彼に訴えるかのように、薄い桜色を帯びてピンと上向いていたのだ。しかもその周囲の薄桃色を宿した乳暈の縁どりの頼りなさが、まるで無垢な乙女の香りを誇っているかのようでもある。もはやそれを目の前にした彼は、感動している余裕すら吹き飛ばされてしまい、ただの一匹のオスとして少女の初々しい肉体に挑みかかっていった―――。
「あぁっ、陛下さまっ‥‥!」
興奮した彼に貪るが如く激しく乳房を吸い立てられる少女は、弛緩させていた身体を「ビクン、ビクン」と震わせ反り返らせる―――。思春期の敏感な膨らみは、彼の経験豊富な熟年の手ほどきの前に、少女自身にたやすく「蒼き性の扉」を開かせ始めていたのだ。
「くふぅっ‥‥、あっ‥‥んあっ―――」
若鮎のように新鮮な反応を見せる十五歳の少女の様子に、彼はますます熱のこもった愛撫を繰り返す―――。唇と舌を巧みに使い分け、「チュパチュパ」と音がするほどの情熱と巧みさで、年頃の少女にとって確実に「弱点」となり得る、その小さくも尖りを帯びた乳頭に、執拗に愛撫を繰り返す―――。
少女の息遣いが次第に荒くなっていくのが判る。そして片方の手を少女の下半身に這わせ、優しいタッチで内腿を撫で擦りつつ、頃合を見計らって少女の谷間をパジャマのパンツ越しに指先でなぞってみる‥‥。そこは熱い空気が宿っている。まだ濡れているのかどうか判別はつかなかったが、熱い空気に包まれたそこは既に子供のようにのっぺりとしたものではなく、確実に乙女の息吹を芽生えさせているのが厚い布越しにも彼にはっきりと判った。余り強く刺激を与えぬように心掛けながらも、柔らかな乙女の隆起を見せ始めている秘部から、その真下へと縦に延びる凹みを容易に捉えて、何度も指先で軽く擦り続ける―――。
「ハァハァハァ‥‥アンッ、ハァハァ、ああぁぁっ! クフゥッ―――!」
そんな感覚を初めて知ったのだろう。少女の反応は凄まじい。ティセラのまだ十五歳とは思えぬような艶やかな喘ぎ声に、もはや彼は大人としての落ちつきをとうに失ってしまっていた。ただ幼牝の肉体を征服したいという盛牡としての本能に突き動かされるままに、彼の唇と指先は性急さを帯びて少女の下腹部へと一気に下降していく―――。
まだ少女のパジャマの上着も、前を大きくはだけたままでちゃんと脱がせもしていないのに、彼は少女のパジャマのズボンに両手の指先を掛けると、彼女の同意を得ることもなく一気にパンティーごと抜き取った。
「あっ、やんっ!」
拒絶の意が込められたような黄色くて可愛い悲鳴が上がった。やはり少女には心の準備も必要だったのだろう。ここまでさして抵抗も見せなかった彼女が、初めて身体をよじって彼の行為を中断させたのだ。が、冷静さを失っている彼はそんなことに気付きもしない。そんな中断を幸いにして、自分の寝衣を脱ぐのに必死である。
脱ぎ散らかすような慌てぶりでようやくと裸になったゴージャンヌ八世は、ようやくとティセラがまだパジャマの上着に袖を通したままであるのに気付き、身体を丸めていたティセラを仰向けに抱き起こして、やさしい手付きでパジャマの上着を脱がせてやった。その頃には彼女の心の準備も整っていたのだろうか、先程と変わらぬような力ない状態のままに、彼の行為に素直に身を任せるだけになっていたのである‥‥。
いつもならば完全に明かりが消え、「シーン」と静まり返っているはずの国王の寝室は、今宵は夜更けになってもまだぼんやりとした小さな灯りがともっていた‥‥。
大きなベッドの上からは、甘く切ない少女の息遣いと、時折「ピチャピチャ」と、まるで猫が皿に注がれたミルクを舐め取るような湿り気を帯びた音だけが響く―――。そこにはこの国の倫理道徳観からはとても信じられないような光景が繰り広げられている。何とまだ十五歳の可憐な少女が、三十半ばの貫禄ある男によって全裸にされ、しかも両脚を大きく押し開かれて唇での秘芯愛撫を受けているのだ。ゴージャンヌ八世のティセラに対する愛撫は執拗に続けられていたのである。
実は少女の寝衣を完全に脱がせ終えた彼は、少女の弱々しい抗議に耳も貸さずに、枕元の小さな明かりを灯し、存分に少女の初々しい裸体を網膜に焼き付けた後、少女にとって最も秘し伏せておきたかったであろう乙女の秘芯器官へと顔をうずめ、薄明かりの中にその清楚なたたずまいをじっくりと堪能し始めたのだ。
やはり少女のそこは綺麗だった。恥骨の隆起もまだ不完全だったせいか、余りに短い縦割れだったのだ。産毛と見間違うほどに頼りない金色の繊糸が辛うじて少女が完全な子供ではないことを心細げに告げているようだ。しかし、そんな幼いたたずまいの中にも彼女の肉体に乙女の息吹を感じずにはいられない。何故なら少女のそこは先程からの彼の愛撫に応えて、サラリとした透明な雫を秘芯の奥からジクジクと潤ませていたからである。
「とても綺麗だよ、ティセラ‥‥」
そう呟いた彼は、ティセラがまったく抵抗を示さないのをいいことに、そっと彼女の秘所を指先で押し広げ、内部までも観察する―――。
やはりそこは彼が想像していた以上に可憐であった。透き通るように白い外郭に反して濃いピンク色を帯びた内粘膜器官のすべては、どれもが小造りの発育途上の蒼さと、次第に芽生えつつある乙女の初々しさに満ち溢れていた。何よりも透明な愛液を含んでピンク色にキラキラと輝く様子は、彼の男としての激しい衝動を駆り立てずにはいられない。こうして彼は牡の本能のままに、彼女の秘裂内部に宿った甘露をすべて舐め啜るが如く、唇と舌先での秘芯愛撫を開始したのである。
「んっ! ああっ! はあぁぁっ―――!」
突如、秘芯を襲った未知なる凄まじい衝撃波に、ティセラは身体を大きくのけ反らせたばかりか、今までにない艶やかな喘ぎをその可憐な口元から迸らせた。
「アウッ! あああっ! 陛下さまっ、許してぇっ!」
生まれて初めて知る妖しい官能の世界の、未曾有の凄まじさを秘めたその感覚にショックを受け、少女は思わず彼にそう叫んだ。が、彼の舌先は止まることを知らない。
「くはぁっ、だ、だめぇぇっ! あっ、ああぁぁっ―――!」
最初は戸惑うばかりで、ともすれば股間にうずまる彼の顔から逃れようとしていたティセラだったが、生まれて初めて与えられる乙女の秘所への直接的な強烈な刺激の前には「ギクン、ギクン」と初々しくも艶っぽい反応を示してしまい、どうしても彼の舌先に自身の弱点を告知してしまうのだ。
「はうっ―――、ふぁっ、んああぁぁっ!」
可憐であどけない口元に小さな手の甲を押し当て、必死に喘ぎを押し堪えようとしているいじらしい仕草も、そう長くは続かない。余りに甘美で凄まじい衝撃が秘芯から頭の先まで一気に走り抜けるたびに、少女の華奢な肉体が「ギクン」と大きく反り返ってしまい、ついついそれに耐えようとして両手で頭上のシーツをクシャクシャに握り締めてしまう為だ。
「あうっ、アンッ―――ハァハァ、あっ、あああぁぁーっ!」
聞き心地の良い少女の甘い喘ぎ声と、既に甘い汗を薄っすらと浮かべ始めている初々しくも瑞々しい肉体の反応が、ますます彼の愛撫を濃厚なものへと啓発させてしまう。それに呼応して更に艶っぽい反応を示してしまう十五歳の少女―――。それは少女がまるで相手の男性に対して、自身の肉体が「女」として「男」を受け入れることが可能であることを無意識にアピールしているかのような‥‥ともすれば自分を「女」の身体にすることに躊躇しかねない相手の性格を見抜いた「少女期の若牝」の潜在的習性(さが)―――。
もはやゴージャンヌ八世は一刻の猶予も待てなかった。ティセラの未熟さを残しつつも清楚で瑞々しい肉体と、その反応の余りの艶やかさに興奮も凄まじい彼は、彼女がロイータではまだ「子供」とされる十五歳という年齢であることすら頭の隅に押しやっていたのだ。そして小柄で若い、まだ男を知らぬ清らかな娘と交合を遂げるような錯覚を抱いたままに、遂に彼女のしなやかな長い脚を膝から大きく割り開くと、その間に逞しい腰を割り込ませていった。気ぜわしい息遣いのままに、少女の秘部の中心に位置する可憐すぎる初花のめしべ器官に、興奮凄まじく最大限にまでいきり勃ったペニスをピタリと当てがっていった―――が、その瞬間、彼は思わず目を見張った。
―――小さい! まだ幼すぎる!―――
まだ完全に発育を遂げてはいないものの、既に乙女頃の発育過程にあると思われていたティセラの秘所器官は、実はこうして彼が完全に硬直化したペニスを実際に当てがってみると、余りにサイズが小さすぎたのだ。これでは秘裂全体でやっと彼のペニスを迎え入れることが出来るくらいだ。が、彼女の肉体が受けるであろうダメージを気遣う余裕などもはや彼にはない。次なる彼の行為を待ち侘びているかのように、息遣いも荒くぐったりとしている少女をまるで覆い潰すかのようにして、その華奢な上体の上に厚い胸元を合わせると、少女の細い肩を両手でガッチリと掴み、そのまま一気に体重をかけていく―――。
「うっ―――!」
途端に少女の身体が強張りを見せる。その愛くるしい顔が瞬時にして苦痛に歪む。しかし少女は決して彼に苦痛を訴えようとはしない。まるですべての痛みに耐える心の準備が出来ているかのように、彼の大きな背中に小さな手を回して必死にしがみついている。
貫通がとても容易ではなく、長引けば余計に彼女を苦しめることになると知った彼が選ぶ選択肢に、もはや「撤退」の文字はなかった。少女をベッドに組み敷いたままに暴れないように押え付け、大きく息を吸った彼は、ティセラの幼い処女器官に、愛欲に熱(いき)り勃つ自己の分身を、力任せに一気にねじり込む―――。
(ズ、ズニュュゥゥーーッ―――!)
「ウッ、ウグッ、ギッ、ギャァァアアァァーッ―――!」
少女の小さな口元から耳をつんざくようなあらん限りの大きな絶叫が迸る―――。しかし彼はそれにひるむことなく、少女の行き止まりを計りながら尚もペニスを少女の奥へと送り込む。苦悶に歪む顔を打ち振るティセラの様子に心が痛む反面、余りにキツくて熱い彼女の処女粘膜の気持ち良さに、彼の牡器官の先端部から、思わず背筋がゾクゾクするまでの快感が一気に脳髄まで走り抜ける―――。
「済まないティセラっ! ウッ―――」
少女の激痛をおもんばかって一言だけそう叫んだ彼であったが、もはやそれ以上に口を開く余裕もない。少女の膣内の異常なまでの高温と、その収縮の激しさ、そして何よりペニス全体に絡み付いてくるような内粘膜の触感が、彼の脳髄を甘美な快感に痺れさせてしまっていたのだ。奥行きも深くない少女器官にペニスのほとんどの長さを強引に突き込んだ彼は、非情にもそのまま力強い抽送を開始する―――。
「ウグッ、ウッ! ウウゥゥーッ‥‥」
彼のガッチリとした身体の真下で、少女はヒクヒクと小刻みな痙攣を起こしながら弱々しい呻き声を漏らすだけになっている。満面にじっとりと脂汗を浮かべて、まるで悪夢にうなされてでもいるかのように、堅く瞳をつぶったままに時折顔を打ち振っている。まだ幼さの残るティセラの小さな肉体が、切り裂くような激痛に見舞われているのは、もはや誰の目にも疑い様のないことだ。しかし、彼女は弱々しい呻き声を発するだけで、決して彼に止めてくれとは言わなかったのである。
(ジュプッ、ジュッ、クチュッ―――)
彼の剛直と化したペニスが、少女の可憐な秘芯に根元まで力一杯突き込まれ、そしてゆっくりと引き抜かれる。
「クッ! クゥゥゥーッ―――!」
ティセラの苦悶も厭わず、彼は少女の内粘膜器官に夢中になって抽送を繰り返す。まるで食いちぎらんばかりの処女器官の余りに強い締め付けと、少女期特有の熱い体芯温の心地好さに、もはやティセラを思いやる余裕さえ消し飛んでしまっている。そして遂に彼は少女の初花粘膜が与えてくれるめくるめく快感に呑み込まれ、瞬く間に絶頂に達してしまった。
「ううっ、ティ、ティセラァッ―――!」
(ドグンッ―――!、ドクドクドク―――)
ティセラの十五歳の未成熟な膣奥に向かって、勢いよく生命の潮流が注ぎ込まれていく―――。
「あっ・・・・」
その瞬間、ティセラは堅く閉じていた瞳をパッと開き、何かを感じ取ったかのように短い声を上げて身体をビクンと硬直させた。
ようやくと長い射精を終え、彼は深く息を吐いた。久しぶりの激しい運動のせいか、彼の顔も汗でぐっしょり濡れている。いや、既に全身とて汗塗れである。
少女を押し潰すまいとして両肘で上体を支えている彼は、しばらくそのままの姿勢で息を整えると次第に、まだ十五歳の無垢可憐な少女に対して、年甲斐もなく乱暴に挑んでしまった自分に愕然としていく―――。自分の身体の下で呻き声すら発しなくなっているティセラの様子が気にかかる彼だが、もはや自分がどのような顔をして、少女に一体どんな言葉を掛けて良いのか見当もつかない。これほど残酷な仕打ちをした自分に、もはや彼女は親愛の情すら失い、軽蔑と怨恨の感情を抱いてしまっているのは間違いないのだ。
それでも彼女の様子が気になって仕方がない彼は、今にも自責の念で泣き出しそうな表情のままに、自分の胸元の真下に隠されているであろう少女の顔をおそるおそる覗き込んでいく―――。
ところが、そんな彼の情けない表情を、ティセラは眩しいくらいの笑顔で見つめていたのだ。それは今まで通りの、いや、更に彼に対して親愛の情を深めたものだったのである。意外すぎる少女の笑顔に、彼は驚きを隠せない。しかし、少女が受けた苦痛は、決して軽いものではなかったようだ。ティセラの笑顔はじっとりと脂汗に滲んでいた。額や頬にたくさんの濡れた髪の毛がこびりつくまでに・・・・。そして愛らしい長い睫毛までもが、涙をしとどに含んでキラキラと輝いていたのだ。
少女の余りに痛々しい様子を見てしまった彼は、やはり今更ながら深い罪悪感に捉われてしまう‥‥。一度は目を合わせながらも、どうしても再びティセラの目を見ることができない・・・・と、そんな彼の心を見透かしたように、ティセラが優しく彼に囁いたのである。
「―――エヘッ、泣いちゃったわ。でも陛下さまったら、こんなに一杯お注ぎになられるまで我慢なさって・・・・。その心づもりでわたくし、陛下さまのお側に参っておりましたのよ。ウフッ―――」
ティセラはあどけない笑顔を見せて、クスッと笑った。
ゴージャンヌ八世は驚きを隠せない。キョトンとした顔で少女の顔を見つめるばかりだ。少女は尚も言葉を続ける―――
「もうティセラは殿方のお情けを知ってしまったから、どこにもお嫁にいけないわ・・・・。だから陛下さま、これからもわたくしをお側に置いて、可愛がって下さいね。ウフフ、あ、アンッ―――」
微笑んで話し掛けていたティセラが、短い嬌声を上げて切ない表情を見せた。少女の身体を貫いていた彼の肉棒が、完全に硬さを失い、少女の狭い秘芯から押し出されるように抜け落ちたせいで、途端に少女の秘芯から、熱を帯びた彼の精液がトロトロと流れ出てしまったのだ。少女の短い嬌声は、その感覚をはっきりと知覚した為のものだった。
「嫌だわ、恥ずかしい・・・・。お父さまにシーツをお見せしなければいけないのに・・・・。たくさんのシミがついてしまうわ」
そんな可愛らしい少女の言葉に勇気付けられ、彼はようやく口を開いた。
「お父さまだけじゃないぞ。広く国民にも見てもらうんだ!」
「ええーっ?」
ティセラは目を丸くして可愛い驚きの声を上げた。彼の言葉はつまり、彼女を新しい王妃にするということを意味しているのだ。
「駄目よ! 私なんて絶対に王妃さまになんかなれないわ! みんなに尊敬される立派な人柄なんて、ティセラは持ってないもの。わたくしはこのままの方がずっといい!」
ティセラの眼差しは真剣だ。きっと父親からは、国王を慰めるだけでで良いからと、幼い少女の重荷になるようなことは一切告げられなかったのであろう。しかし、可愛いティセラの将来のことを思えば、側室のような日陰の立場に甘んじさせる訳にはいけないのだ。彼は何とか少女を説得しようと試みる。
「周りから『王妃様』と呼ばれるだけで、ティセラ自身はそのままで何も変わる必要はないんだよ。だからわがままを言わずに、これからも一緒に仲良く暮らそうじゃないか!」
優しい国王の言葉に、ついに少女の頑なな態度も解きほぐれたようだ。
「本当に? わたくし、何にも変わらなくていいの?」
「そうだとも! ティセラは今のままが一番だ! 可愛い少女のままでずっと私の側に居ておくれ」
「判ったわ。陛下さまがそうおっしゃってくれるのなら、ティセラは王妃様になってあげてもいいわ。でも一つだけ約束して欲しいの」
「ん? 何だい?」
「これからも一緒にお休みしたいの。陛下さまが側にいないと、ティセラは寂しくて眠れないの」
「おおっ、いいとも! 寝るときもいつも一緒だぞ!」
国王と王妃は、愛の行為をする時以外は、それぞれ別の部屋で休むのが慣習なのだが、どうやらティセラにとってはそれが一番辛いことらしい・・・・。いじらしいティセラの言葉に、彼は年甲斐もなく感動してしまい、彼女をきつく抱き締めてしまった。
こうして初夜を終えた二人は翌朝、ティセラの破瓜の出血と彼の放った大量の精液のシミに染まった昨夜の白いシーツをかざして、ティセラの父や国民の前に結婚の儀式を無事に果たしたことを広く示したのである。それからほどなくしてティセラの妊娠が判り、やがて玉のような女の子が生まれた。それが現在のサラ姫だったのだ。
こうして前妻を失ってから長い日々を孤独に包まれて過ごした国王ゴージャンヌ八世は、未だかつて味わったことのないような喜びに包まれて現在に至ったのである。そしてティセラの父や他の重臣たちも、自分たちの思惑が見事に功を奏し、王族主家の血脈が断絶を免れたことに、深く胸を撫で降ろしたのであった・・・・。
(―――あれから既に十六年近くの歳月が経っている。思い起こして見れば、それはまるで昨日のようでもある。月日が経つのは本当に早いものだ・・・・。しかし、今から思えばティセラの父は、目に入れても痛くない程に溺愛していたであろう末娘を、王家の血脈を絶やさぬために、わずか十二歳で国王である自分に差し出したのだ。それは身を切られるような心の痛みを伴うものであっただろう・・・・。そのことをあの当時の自分は、感謝の念を伝えこそすれ、充分に理解してはいなかったのだ。それを今日つくづく痛感させられた。きっと天はそれを戒めるべく、自分とティセラの間にサラをお授けになり、果てはこの日を迎えたのであろう・・・・)
広間からサラとミッシェルが退出して、若い二人の門出を祝う晩餐が終わったにもかかわらず、ただぼんやりとテーブルに頬杖をついてティセラの少女時代を思い出していた彼の心を、そんな悔恨の念にも似た切ない感情が塞いでいく‥‥。そんな憂鬱を慰めてもらおうと、今もあの頃と少しも変わらぬ幼くも心優しい王妃に、少しばかり愚痴をこぼそうかと隣りの席に目を遣った彼だったが―――、
「おや、王妃はどこへ参ったのだ?」
ふと我に返ったゴージャンヌ八世は、隣でグズって泣いていたティセラが、いつのまにかいなくなっており、一人ポツンと広いテーブルに取り残されているのに気が付いた。
「そなた、王妃がどこへ行ったか知らぬか?」
目の前で晩餐を終えたテーブルの後片付けをおこなっている若い侍女にそう尋ねると、彼女は動かしている手を休めて気まずそうに口を開く。
「あのォ、多分サラ姫様の後を追いかけていかれたものと・・・・」
それを聞いた途端、思わず彼は声高に口走る―――
「あぁぁーっ、また余計のことを言いにいったのであろうて! トホホホ―――」
いつまでも無邪気なままの年若い王妃に、ゴージャンヌ八世はまたしても頭を抱えて唸り込んでしまった・・・・。
「・・・・さぁ、こちらへどうぞ」
広間の出口に待機していたエレザが、二人を新居へと案内すべく先導に立つと、彼女に付き従うように若いカップルは、晩餐が執り行われた広間を後にした。二人はエレザに導かれ、赤絨毯(あかじゅうたん)の敷かれた広い通路を進んでいく―――。
晩餐の執り行われた大きな広間を出るまで、ミッシェルは敢えてサラ姫との距離を保っていた。ひとり娘を奪い去られる悲哀を、ありありと浮かべていた国王の気持ちに配慮していたのだ。しかし、広間を後にして通路へと進んだ時、もはや二人が距離を隔てる理由は何もなかった。通路に立つ衛士たちの前にも関わらず、やや後ろを着き従うように歩くサラ姫のか細い肩を、ミッシェルは左手で優しく押し包んだのだ。
ハッと身体を緊張させ、歩みを止めがちになってしまったサラ姫であったが、ミッシェルの逞しさをひしひしと感じ、たちまち心の中に喜びの感情が込み上げてきてしまう・・・・。少女は思わず身体を、ミッシェルに擦り寄せていった。
若い二人の睦まじい様子を、目一杯背中で感じながら、エレザは二人を案内して王宮の別館への通路を進んで行く。と、歩みを進める若い二人に背後から女性の声が掛かった―――。
「サラ、ミッシェル、待ってぇーっ!」
それはサラの母ティセラであった。彼女は薄い微笑みを浮かべながら、長いスカートの裾を軽く持ち上げ、小走りに二人に駆け寄ってくる。ようやくと二人に追い着いた彼女は、何故か泣いたように目を赤くしている。
「どうなさったの? お母さま」
「いえいえ、用事があるのはミッシェルなのよ」
ティセラの言葉にミッシェルは不思議そうな顔をしている。そんな彼の顔を見つめ、ティセラは優しい口調で告げる。
「ミッシェル。娘のことをよろしくお願いね。まだ若いお二人だもの。別に焦る必要はないわ。けっして無理はなさらないでね」
ミッシェルはティセラの言いたいことをすぐに理解した。サラ姫の身体はまだ、安易に男性を受け入れることができる程、成熟しきってはいない。無理に結婚の証を得ようとなどしないように、軽く諌めに来たのだ。
「はい、お約束します。決してサラ姫様を苦しめるようなことはしません。たとえ何年かかろうとも、決して無理には致しません!」
ミッシェルはティセラの顔を真剣な眼差しで見つめ、自分の堅い決意を明かした。
そんな二人のやりとりが、サラにはまるで自分を子供扱いしているようで気にいらない。ふくれた顔をして、すぐに二人の会話に割って入る。
「お母さまったら、私はもう大人です。明日にでも結婚の御報告をお持ちして差し上げますわ。それにそんなこと、わざわざ追いかけていらっしゃらなくても、先程おっしゃってくれればよいことではありませんか!」
「そうね・・・・。ごめんなさいね、サラ」
ティセラは一言も反論せずに、娘に対して自分の非礼を素直に詫びた。横ではミッシェルが困ったような表情を浮かべているのだが、サラ姫はまったく気付かない。
(父親の前で娘の初夜の話などできようはずもない。そんな話を目の前でされようものなら、国王はショックの余り卒倒してしまうことであろう‥‥)
―――そんなティセラの細やかな配慮が、ミッシェルにははっきりと理解できた。それだけにサラ姫の子供っぽさがありありと感じられてしまう・・・・。
「お母上のご心配を、むげになさってはいけない。さあサラ姫、お母上にお詫びしなさい」
「だって・・・・」
反論しようとしたサラ姫だったが、ミッシェルの優しい眼差しに見つめられると、こわばった心が溶かされていくようだ。たちまちのうちに素直なサラ姫が顔を覗かせる。
「サラがいけないのね・・・・。ごめんなさい、お母さま・・・・」
それを聞いたティセラは、思わずプッと吹き出しそうになってしまった。今のサラには、いつものような自分の前でのおてんばぶりが微塵も感じられないからだ。恋する乙女のいじらしい反応に、母親はつい微笑ましく思ってしまうのを禁じ得ない。
「何よ、お母さまったら。私がお詫びしているのに、クスクスとお笑いになるなんて!」
サラ姫は少し顔を赤らめながら、ティセラに可愛く抗議した。またしても突拍子もないことを言い出すのではと、気が気でないのである。
それにしても隣で聞いているミッシェルには、母と娘の会話とはとても思えない。まるで姉妹同士の言葉の遣り取りにしか聞こえないからだ。
ようやく失笑を押し殺したティセラは、微笑みながら二人に切り出す。
「さぁ、話はそれだけです。早く新居にお移りなさい。サラもミッシェルも頑張るのよ、明日の知らせを楽しみにしておりますよ。余りシーツを汚しちゃ駄目よ! うふふっ―――」
「もおーっ、お母さまっ! 意地悪なお人っ!」
少女の抗議を当然予期していたのであろう。言うが早いかティセラは、くるりと背を向けて、まるで逃げるかのような速さで通路を広間の方へと小走りに引き返していった―――。
(やはり母に冷やかされてしまった・・・・)
母ティセラの余りにあからさまな言い様に、少女の顔がポッと紅く染まる。照れている自分が妙に気恥ずかしく感じられ、サラはミッシェルに顔を見られまいと俯いてしまった。ミッシェルにしてみれば、そんなサラ姫の恥じらい様が、とても可愛らしく思えてならない‥‥。
「さぁ・・・・行こうか」
ミッシェルの腕が再び少女の肩に回り、少女は俯いたままに小さくコクリとうなずいた。二人は再び新居への歩みを進める。
エレザに案内されながらしばらく王宮内の通路を進むと、二人は渡り廊下へと通じる踊り場へとたどり着いた。その渡り廊下の向こうには、新築されたばかりの白く輝く城が建っている。それこそが国王が二人のために用意した新居だったのだ。
初めてその城を目にするミッシェルは、余りの豪華さに肝を潰してしまった。
(凄い! わざわざ二人の新婚生活の為だけに、国王陛下がここまで立派な城を建ててくれるなんて・・・・!)
しかもこの城が建てられている場所にミッシェルは、二人の新婚生活に対する国王の配慮が痛いほどに感じられたのだ。彼の小さい頃の記憶が正しければ、たしかここには大きな池があった。つまりは王宮の中で最も人通りの少ない、一番静かな場所だったのである。しかも渡り廊下一本だけで王宮と結ばれたここなら、衛士たちの姿も気にならず、新婚気分に水を差されることなど決してないのだ。まさに二人だけの愛の巣である。ここでこれから二人の新婚生活が始まるのだ。ここまでの配慮をしてもらい、ミッシェルも国王への感謝の念に耐えない。―――今の自分に出来ること・・・・それは国王の最愛の娘であるサラ姫を、生涯愛し抜いて幸せにしてあげることでしか、もはや応えられないのだ。余りの感動にミッシェルのサラ姫の肩を抱く腕にも、つい力が入ってしまう・・・・。
「あっ、ミッェルさまっ?」
ミッシェルの様子の変化に気付き、サラ姫は彼の顔を見上げた。彼の優しくも情熱的な視線が、自分へと注がれていることに気付く・・・・。彼女はそんな彼の熱い眼差しに応えるかのように、瞳をうるうると輝かせて見つめ返した。
美しく澄んだ少女の瞳の中に、ミッシェルは自分の魂が吸い込まれていくような錯覚すら覚えてしまう・・・・。
「サラ姫、生涯を掛けて、あなたを愛し抜きます。どんなことがあっても、必ずやあなたを守り抜きます!」
二人は互いに見つめ合い、徐々に顔を近付け合っていく・・・・。
若い情熱に突き動かされている今の二人は、そこが渡り廊下の真ん中で、しかもエレザが側で見ているのも、全く忘れてしまっているようだ。熱い二人に当てられて、逆にエレザの方が気恥ずかしくなって赤面してしまった。
「―――ゴッホン! ンンッ、ンーッ・・・・!」
エレザは遂に耐えかねて、必死に咳払いを繰り返し、自分の存在を二人にアピールした。そのことでようやく彼女の存在を思い出し、慌てて取り繕うように振る舞うサラは、見る見る顔を赤らめていく。
「あっ、ご・・・・ごめんなさいエレザ・・・・。ここまででよくってよ。案内してくれてありがとう・・・・」
「はい、それではここで失礼いたします。お休みなさいませ」
澄ました顔でそう言うと、エレザは軽く頭を下げ、渡り廊下を足早に引き返していく。そんなエレザの後ろ姿を、若い二人はしばらく見つめたまま黙り込んでしまった。
互いの気持ちの盛り上がりに、少し水を差されてしまった二人は、気恥ずかしさを感じ始めたのか、結局はその場でくちづけを交わさなかった。それでも二人抱き合うように寄り添いながら、二人にとって「愛の巣」となる新しい城へ、ゆっくりと足を進めていくのであった・・・・。
《注意》
この物語はすべてフィクションであり、登場する如何なる人物、団体、国家、人種、地名及び地域等、すべてが架空のものです。また、男性にとって有利とも受け取れる女性の心情に関する心理描写、及び身体機能の記述は、すべてが事実と異なる誤ったものです。
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